屋根のてっぺん・一番上の部分は『棟』です!棟の名称アレコレ
この画像の部分は屋根の棟と言い、屋根の頂点(山になっている部分)を指します。
棟は必ずしも建物の一番上にあるとは限りません。
屋根の頂点が棟なので、切妻屋根であれば棟がてっぺんに来ますが、寄棟屋根や入母屋屋根や棟違い屋根などは棟が複数あり、その棟の場所によって名称が微妙に異なっています。
ここから棟の場所ごとの名称を一つずつ確認していきます。
大棟・おおむね(ぐし、主棟)
棟の中で水平になっている部分の名称を大棟(おおむね)と言います。
地方によってはぐし、主棟(しゅむね)とも呼ばれています。
この大棟が建物の中の一番てっぺんに来ることがある箇所ですね。
隅棟・すみむね
隅棟は大棟と交差し屋根の勾配に沿って下りていく棟部分です。
大棟と違って水平ではなく、屋根の先に向かって流れる頂点の部分を指します。
降り棟・くだりむね
降り棟は大棟と交差し屋根の平らな部分(平部)を下りていく箇所を指します。
隅棟と違い屋根の頂点ではなく、屋根の平部を妻に対して並行に流れる棟です。
屋根の棟に設置する材料や部材の名称
屋根の棟には通常の屋根材ではなく、棟専用の部材を設置します。
この棟の専用部材にも一つ一つ名称があるので、こちらも解説していきたいと思います。
棟板金・むねばんきん(棟包み)
大棟・隅棟に設置する部材で、瓦屋根以外の屋根には基本的には棟板金を設置します。
棟板金は板金という名前の通り金属の部材で、最近ではガルバリウム鋼板を使用するのが一般的です。
加工がしやすく扱いやすいですし、耐用年数も長いので、多くの住宅ではこの棟板金が普及しています。
棟板金の下地となる貫板【タフモックとは?】
棟板金はそのまま屋根にビスで打ち付けるわけではありません。そんな事をしてしまうと少しビスや屋根が劣化しただけでビスを打ち込んだ隙間から雨が侵入して雨漏りに繋がってしまいます。
まず屋根に下地となる貫板(木材)を打ち付け、その上から棟板金を被せます。棟板金は貫板の側面にビスで打ち付けるのです。こうすることで上から雨が降っても、雨が屋根の内部に侵入しにくくなります。
最近ではタフモックなどの樹脂製の貫板を使用することもあります。
木材よりも高くなりますが、耐用年数が長いという事で最近人気の材料です。
棟瓦・むねがわら(ぐし瓦)
日本家屋や寺をはじめとした瓦屋根の棟に設置されているのは棟瓦です。
棟瓦の構造は棟板金よりも複雑で、棟瓦の修理ができる屋根屋さんは限られています。
昔で言う所の瓦屋さんであれば棟瓦も扱えるでしょう。
また、棟瓦の中にもいくつかの名称があります。※建築部材って細かいんです。
棟瓦の一番上に位置する(被せてある)瓦部材を冠瓦(かんむりがわら)。
棟瓦の段になっている積み上げてある瓦部材を熨斗瓦(のしがわら)と言います。
鬼瓦・おにがわら
瓦屋根の家の大棟や隅棟の端部から雨水などが侵入しないように取り付けるのが鬼瓦です。
どこかで芸人さんが使ってましたので、耳にしたことがあるという方も多いかも知れません。
鬼瓦は屋根を守るという実用的な面だけではなく、厄除けや魔を払うという願いも込められていたので鬼のような模様をしている事があります。
余談ですが、お城などに付けられたしゃちほこ(鯱)は鬼瓦ではないみたいです。
たしかによく見ると冠瓦に乗っかっているだけの場合が多く、雨風の侵入を防いではいません。これは装飾ですね。
棟巴板金・むねともえばんきん(剣先板金)
瓦屋根以外の建物の棟の端部には棟巴板金を設置します。
剣先板金(けんさきばんきん)とも言われます。確かに剣の先端に似た形状をしていますね。
雨が侵入しないような形状に加工されていますが、棟板金と同じ見た目ですから名称を知らない方も多いです。実際現場でもあまりこの名称では呼びません。笑
差し棟板金・さしむねばんきん
差し棟板金は屋根材に板金部材を直接巻いて棟のつなぎ目を隠すものです。
役割りは棟板金と同じですが、工法が全く違います。
棟板金のように外部に露出している面が少ないので風などの自然災害を受けにくく強度があるのが特徴。
しかし施工が難しく工数も掛るため、費用が高くつくのが欠点です。
漆喰・しっくい
漆喰は内装や外壁にも利用されることがある素材で幅広く利用されるものなのでご存じの方もいるかもしれません。
屋根における漆喰は、瓦屋根の棟瓦と平部の隙間を埋める際に利用されます。白い半月状の部分が漆喰です。
最近は棟瓦に漆喰を使用しない、乾式工法という施工方法もあります。
屋根の棟修理にかかる費用について
屋根の棟板金や棟瓦を修理・リフォームしたい場合。ざっくりと下記の金額が発生します。
項目・工事 | 修理費用目安 | 修理単価 |
---|---|---|
棟板金の交換工事 | 約15万~35万円 | 約7,000円~13,000円 |
棟瓦の積み直し工事 | 約15万~45万円 | 約8,000円~16,000円 ※段数による |
棟の修理には足場代もかかりますし決して安い金額では無いですね。
棟の修理費用に関してはこちらで詳しく解説しているので、興味がある方は確認してみて下さい。
屋根の棟の修理には火災保険が利用できる【台風被害など】
実は屋根の棟板金や棟瓦の修理には火災保険が利用できる可能性があります。
火災保険は建物に自然災害等によって被害を受けた場合、その補償を行ってくれる損害保険です。
つまり、台風、突風、雪、雹(ひょう)、落雷、地震など、自然災害が原因で棟修理をしないといけないという場合は火災保険を利用して修理ができるので、絶対に利用してください!
棟の適切なメンテナンス時期・交換時期
棟板金や棟瓦は定期的にメンテナンスし、修理してあげないといけない箇所です。
棟板金であれば約10年~20年、棟瓦であれば15年~25年に一度は何かしらのメンテナンスをしてあげましょう。
棟の劣化症状とメンテナンスのサイン |
・棟板金の変形、ゆがみ ・棟板金の釘の浮き、抜け ・棟板金のサビ、表面の剥がれ ・棟瓦のズレ、ゆがみ ・棟瓦の漆喰の欠 け、崩れ |
もし上記のような劣化症状が既に確認出来る場合は、棟のメンテナンスの時期です。
放置してしまうと大きな被害に繋がって、直す場合に余計な出費になります。なにより、家自体がダメージを受けてしまっては元に戻せません。
こういったメンテナンスを後回しにしないのが家を長持ちさせるためには大切です。
棟の修理なら総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーにご相談ください!
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーはFPが在籍するリフォーム会社です!
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現地調査・見積もりは無料なので、是非お気軽にお問合せ下さい。
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この記事を書いた人
FP2級合格、CBT試験合格、宅建士試験合格
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー 代表
村松
国家資格であるFP2級・宅建士試験などに合格し、保険業界や不動産業界にて営業やフィナンシャルプランナーとして経験を積んできました!
不動産業界のブラックな雇用形態とパワハラに疑問を持ち退職。
保険業界では「もしかして、世の中って不要な保険が多いのでは?」と疑問を持ち退職。
その後"自分が正しいと思った事を仕事にしたい"と思い、独立しました!
現在はその経験を活かし、自宅のリフォームや火災保険の申請サポートを行う"総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー"にて、微力ながら皆さまの生活にプラスになるお手伝いをしております(・∀・)ノ