軒天修理の費用は、塗装・張り替え・重ね張りなど、選ぶ工法によって異なります。劣化している範囲や下地の状態、足場の要否によっても見積額が変わるため、一律の総額だけで判断するのは適切ではありません。
この記事では、工法別費用を比較したうえで、修理方法の考え方、費用差の理由、見積書で確認したい項目を解説します。軒天に雨染みがある場合は、表面を直す前に雨水が入った原因を確認することも大切です。
軒天修理の工法別費用早見表
掲載料金は、すべて税込です。軒天塗装は、単独で依頼する場合の工事費と、外壁や屋根の塗装と併せて行う場合の㎡単価を分けて掲載しています。
軒天修理の工法別費用
| 工法・項目 | 費用 | 条件 |
|---|---|---|
| 軒天塗装・単独工事 | 55,000~165,000円 | 税込・足場代別 |
| 軒天塗装単価 | 1,760~3,630円/㎡ | 税込 |
| 軒天張り替え | 60,500~423,500円 | 税込 |
| 軒天重ね張り | 55,000~275,000円 | 税込 |
| コーキング補修 | 33,000~88,000円 | 税込・足場代別 |
| 足場 | 55,000~220,000円 | 税込 |
塗装単価は、外壁や屋根の塗装と併せて軒天を塗装する場合の目安です。単独工事の総額と混同しないようにしてください。
実際の見積額は、施工範囲、工法、下地の状態、使用材料、足場などによって変わります。見積書で必要な工事の範囲と費用に含まれる内容を確認しましょう。
症状と下地状態から考える軒天の修理方法
軒天の修理方法は、見た目だけでは決められません。軒天材と下地の状態、劣化した範囲、雨水の影響などを確認したうえで選ぶことが重要です。4つの工法を、共通する確認項目に沿って整理します。
軒天塗装
- 向く可能性がある状態:表面の色あせや塗膜の劣化が中心で、軒天材を引き続き使える可能性がある状態
- 既存材の撤去:軒天材の撤去を前提とせず、表面を塗装します。
- 下地の確認点:軒天材の浮き、剥がれ、欠損や、下地の傷みがないか確認します。
- 部分施工:劣化範囲、既存塗膜、周囲との仕上がりを確認して判断します。
- 主な費用項目:下地処理、塗料、塗装作業などです。
- 注意点:傷んだ軒天材や雨水の侵入原因を、塗装だけで直す工事ではありません。
単独工事は55,000~165,000円(税込・足場代別)です。外壁や屋根の塗装と併せて行う場合の単価は、1,760~3,630円/㎡(税込)です。
コーキング補修
- 向く可能性がある状態:ひび割れや隙間が限定され、周囲を含めて補修できる可能性がある状態
- 既存材の撤去:全面撤去を前提とせず、対象部分を処理して補修します。
- 下地の確認点:ひびや隙間が生じた原因、周辺材と下地の傷みを確認します。
- 部分施工:対象部分が限定されているか、周囲にも劣化がないかを確認して判断します。
- 主な費用項目:既存部分の処理、コーキング材、充填作業などです。
- 注意点:状態や原因によっては、コーキングだけでは必要な修理を完了できない場合があります。
費用は33,000~88,000円(税込・足場代別)です。
軒天の重ね張り
- 向く可能性がある状態:既存材を残し、その上から新しい軒天材を施工できる可能性がある状態
- 既存材の撤去:既存材を残して新しい軒天材を重ねます。
- 下地の確認点:既存材の固定状態、下地の傷み、重ねた後の厚みや納まりを確認します。
- 部分施工:継ぎ目、厚み、周囲との仕上がりなどを確認して判断します。
- 主な費用項目:新しい軒天材、固定作業、取り合い部分の施工、必要な仕上げなどです。
- 注意点:既存材の内側にある下地をどのように確認するか、施工会社から説明を受けましょう。
費用は55,000~275,000円(税込)です。
軒天の張り替え
- 向く可能性がある状態:軒天材の剥がれや欠損がある場合、下地の傷みが疑われる場合など
- 既存材の撤去:修理する範囲の既存材を撤去します。
- 下地の確認点:撤去後の下地、周辺材、雨水による影響などを確認します。
- 部分施工:劣化範囲、継ぎ目、周囲との納まりや仕上がりを確認して判断します。
- 主な費用項目:既存材の撤去、新しい軒天材、下地補修、施工、廃材処分などです。
- 注意点:撤去や廃材処分、下地補修が見積もりに含まれているか確認しましょう。
費用は60,500~423,500円(税込)です。
部分施工ができるかは、劣化範囲だけでなく、軒天材の種類、下地、継ぎ目、周囲との納まりにも左右されます。現地調査前に工法を決めつけず、部分施工と広い範囲を施工する場合の違いを確認してください。
軒天修理の費用に差が出る理由
軒天修理の費用は、施工範囲だけでなく、既存材の撤去や下地補修、使用材料、足場などによって変わります。主な確認点は次のとおりです。
- 施工範囲:一部だけを直すのか、軒天の広い範囲を施工するのか
- 工法:塗装、コーキング補修、重ね張り、張り替えのどれを行うのか
- 既存材の撤去:撤去作業と廃材処分が必要か
- 下地補修:軒天材の内側に傷みがあり、補修が必要か
- 使用材料:どの材料、商品、仕様を使うのか
- 仕上げ:新しい軒天材への塗装などが含まれるか
- 足場:安全に施工するための足場や設備が必要か
- 同時施工:屋根修理や外壁塗装と足場を共用できるか
見積額が異なるときは、価格だけでなく、これらの項目が同じ条件になっているかを確認してください。
足場費用と安全設備について
足場費用は55,000~220,000円(税込)です。足場や安全設備の要否は、建物の高さや形状、作業範囲、墜落の危険性などを踏まえて判断されます。
労働安全衛生規則では、高さ2m以上で墜落のおそれがある場所では、原則として作業床を設けることなどが定められています。一方、作業床を設けることが困難な場合の措置も定められているため、足場を使わない軒天工事がすべて法律違反になるとは一律に判断できません。
2階部分などの工事では足場が必要になることがあります。現地調査後の見積書で、安全設備の内容と費用を確認しましょう。
軒天に雨染みがある場合は原因確認を先に行う
軒天のシミや剥がれが、雨水の侵入箇所を直接示しているとは限りません。周辺や上部から入った雨水が軒天付近へ回り、シミや剥がれとして現れている可能性もあります。
雨染みがある場合は、軒天材の表面だけを塗ったり隙間を塞いだりする前に、雨水が入った原因を確認することが大切です。
- 軒天のシミ、剥がれ、浮きなどの範囲を確認する
- 周辺の状態を調べ、雨水が入った原因と修理箇所を確認する
- 原因となった箇所を修理する
- 傷んだ軒天材や下地を必要な範囲で復旧する
原因の確認、原因箇所の修理、傷んだ軒天材や下地の復旧を分けて考える必要があります。見積書でも、それぞれがどこまで含まれているか確認してください。
主な軒天材の種類と見積書での確認点
軒天には複数の材料が使われます。材料名だけで性能を一律に判断せず、実際に使う商品名、厚み、仕上げなどを見積書や製品資料で確認しましょう。
主な軒天材と見積書の確認点
| 材料 | 概要 | 確認する点 |
|---|---|---|
| ベニヤ板 | 木質系の板材です。 | 板の種類、厚み、表面仕上げ、既存下地との納まり |
| けい酸カルシウム板 | 軒天用途の製品があり、不燃材料として扱われる製品もあります。性能は製品によって異なります。 | 商品名、厚み、不燃認定、表面仕上げ、使用場所への適合 |
| スラグせっこう板 | 軒天用途に使われる製品があります。一般的なせっこうボードと同じものとして扱わず、製品仕様を確認します。 | 正式な商品名、厚み、不燃認定、塗装などの仕上げ |
| ガルバリウム鋼板 | 金属製の板材です。既存の軒天から外観や納まりが変わる場合があります。 | 商品名、表面処理、色、固定方法、周辺部分との納まり |
けい酸カルシウム板については、メーカーのけい酸カルシウム板製品情報も参照できます。製品によって仕様が異なるため、見積書に記載された商品と資料を照合してください。
軒天修理の見積書で確認する項目
複数社の見積もりを比べるときは、総額だけでなく工事条件をそろえることが重要です。

- 塗装、コーキング補修、重ね張り、張り替えなどの工法名
- 施工する場所と範囲
- 使用する材料、商品名、仕様
- 下地を確認する方法と下地補修の有無
- 既存材の撤去と廃材処分の有無
- 塗装仕上げの有無
- 足場や安全設備の費用
- 雨漏り調査の有無
- 雨水の侵入原因となった箇所の修理
- 見積金額に含まれない工事
- 消費税を含む支払総額と、追加費用が発生する条件
「軒天工事一式」のように範囲が分からない場合は、施工箇所、材料、下地補修などの内訳を施工会社へ確認してください。金額が安くても、必要な撤去や補修が含まれていなければ、同じ条件の見積もりとはいえません。
軒天修理の費用負担を抑えるための確認事項
相見積もりは同じ条件で比較する
軒天修理には一律の定価がないため、複数社から見積もりを取る方法があります。ただし、金額だけで決めず、各社の工法、施工範囲、材料、下地補修、足場、含まれない工事などの条件をそろえて比較しましょう。
見積内容に違いがある場合は、その理由を確認してください。必要な工事が省かれていないか、依頼していない工事が含まれていないかも確認すると比較しやすくなります。
屋根や外壁の工事と足場を共用できるか確認する
屋根修理や外壁塗装を予定している場合は、軒天修理と足場を共用できる可能性があります。ただし、工事の時期や施工範囲によって条件が異なるため、同時施工にした場合と軒天だけを修理した場合の見積もりを比較してください。
同時施工にすれば必ず安くなると決めつけず、足場費用と工事総額がそれぞれどのように変わるかを確認しましょう。
軒天とは何か、破損を放置するリスク
軒とは、外壁より外側へ張り出した屋根の部分です。その裏側を下から見上げた面が軒天で、軒裏と呼ばれることもあります。軒下は、軒の下にあたる場所を指す言葉です。
軒天は屋根の内部を覆って外観を整えるほか、使用する製品や建物の構造によっては、延焼対策や屋根裏の換気にも関係します。
軒天の破損を放置すると起こり得ること
軒天の剥がれや穴を放置すると、傷んだ範囲が広がる可能性があります。
- 浮いた軒天材が剥がれ落ちる
- 雨風が入り、軒天材や下地の傷みが進む
- 開口部から鳥や小動物などが入り込む
- 雨水の侵入原因が残り、シミや剥がれが広がる
軒天は地上から状態を確認しにくい場所です。剥がれ、穴、雨染みなどに気づいた場合は、無理に高所へ上らず、施工会社への相談を検討してください。
屋根の軒天の修理は総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーにご相談ください

軒天の状態や必要な工法が分からない場合は、総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーへご相談ください。
ご相談や現地調査、見積もりは無料で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
≫無料現地調査お急ぎの方はこちら!≪
≫まずはメールで相談!お気軽に相談≪
屋根修理関連のオススメページ一覧
- 【2023年版】屋根修理の費用相場!材料・工事別の値段まとめ
- スレート屋根の修理費用の相場はいくら?割れや塗装やカバー工法など解説
- 屋根瓦の修理費用はいくらが相場?瓦がずれたらこの値段!
- 屋根の破風板の修理費用相場!塗装と板金巻きの違いとは
- 屋根修理でカバー工法はオススメ?費用とカバー工法の条件について
- ベランダ・バルコニーの屋根修理費用は?波板張り替えの相場
- 屋根の塗り替え・塗り直しの費用と相場!塗装工事の注意点とは
- 原因不明の雨漏り発生!雨漏り原因箇所ランキングまとめ【10選】
- 雨漏り調査の費用相場!自分でやる散水試験の方法も解説
- 屋根の部分修理・一部補修のやり方と費用まとめ
この記事を書いた人

FP2級合格、CBT試験合格、宅建士試験合格
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー 代表
村松
国家資格であるFP2級・宅建士試験などに合格し、保険業界や不動産業界にて営業やフィナンシャルプランナーとして経験を積んできました!
不動産業界のブラックな雇用形態とパワハラに疑問を持ち退職。
保険業界では「もしかして、世の中って不要な保険が多いのでは?」と疑問を持ち退職。
その後"自分が正しいと思った事を仕事にしたい"と思い、独立しました!
現在はその経験を活かし、自宅のリフォームや火災保険の申請サポートを行う"総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー"にて、微力ながら皆さまの生活にプラスになるお手伝いをしております(・∀・)ノ




