瓦屋根のラバーロック工法とは?
瓦のラバーロックを勧められているが、どんな工事なの?
瓦のラバーロック工法とは瓦と瓦の隙間をコーキングで接着してくっ付けてしまう工事の事です。
工事自体は非常に簡単で、瓦と瓦の間にコーキングを打つだけなので素人でもできます。
また材料費もほとんどかからないので費用も安いというのが特徴です。
瓦屋根のラバーロック工法の正しいやり方・手順について
ここでは瓦屋根のラバーロック工法について正しい施工手順をご説明します。
屋根上で作業を行うラバーロック工法は足場の仮設が必須です。
たまに「うちは足場を架けないで出来ます」と言って契約を迫る業者がありますが、これは違法となります。
【参考ページ】➡屋根修理の足場の適切な費用っていくら?本当に必要なものなのか
もし瓦の表面に汚れやコケ、藻などが繁殖していた場合は綺麗に除去しましょう。皮すきやブラシ、やすり等で表面を綺麗にしておかないと、コーキングが上手く接着してくれません。
コーキング材が密着するように下塗り材(プライマー)を塗布します。
下塗りの上からコーキング材を打ちます。使用するコーキングは変性シリコーンです。
コーキングが終わったら足場を解体します。
ご覧の通り、ラバーロック工法はほとんど専門的な技術が要らないので素人でもできてしまう工事と言われています。
ラバーロック工法の正しいコーキングの打ち方
ラバーロック工法で間違えてはいけないのがコーキングを打つ場所です。
間違った場所にコーキングを打ってしまうと屋根の劣化を促進させ、雨漏りや瓦の落下に繋がるリスクが高くなります。
平場の瓦にコーキングを打つのは上記画像のへの字になっている部分です。
瓦を囲うように全体にベタベタとコーキングを打つのは間違いです。
棟瓦にコーキングを打つのは上記画像のT字になっている箇所の頭の部分です。(のし瓦が3枚重なる箇所)
Tが逆さまになっている箇所にコーキングを打つと雨がしっかり流れなくなるので間違いです。
あれ?うちの屋根は正しい場所にコーキングされてないぞ?
という方は知識のない業者に工事されてしまっている可能性が高いです。
悪化しないうちに早めに業者に屋根の状態を確認してもらうことをオススメします。
瓦屋根のラバーロック工法の効果・メリットについて
では実際に瓦のラバーロック工法にはどのような効果・メリットがあるのか確認してみましょう。
屋根同士をくっ付けて耐風性・耐震性を向上させる
屋根同士がくっ付くのでより強い風や地震が来た時に、瓦一枚ではなく瓦全体の重さで支える事ができます。
つまり耐風性や耐震性が向上する効果が見込めるんですね。
工事にかかる費用・施工費が安い
瓦のラバーロック工法は技術的にも簡単で、材料費もほとんどかかりません。
また工事の日数も短くて済みますから、工事にかかる費用・施工費が安く抑えられます。
ちなみにラバーロック工法に掛かる費用は約5万~15万円ほどです(足場別)
瓦屋根のラバーロック工法の危険性・デメリットは?
では反対に瓦のラバーロック工法にはどのような危険性・デメリットがあるのでしょうか?
雨漏りになる可能性や悪化する可能性がある
まずラバーロック工法は雨漏り修理にはなりません。
むしろ今までよりも瓦の隙間を埋めてしまう工事になるので、瓦内部の通気性能が悪くなり、下地の劣化や雨漏りを悪化させる可能性があります。
強い台風や地震では一気に屋根が崩壊する
先ほどメリットでもお話した耐風性や耐震性の副作用の部分になります。
外部からの力を瓦全体で支えるという事は、更に大きな自然災害が来た場合は瓦全体が一気にめくれ上がってしまい被害を拡大させる可能性があります。
本当に大きな自然災害が来た際にはそもそもラバーロック工法はほとんど意味を成しません。
次回の屋根工事の際に余計な費用が掛かる
ラバーロック工法は瓦と瓦を接着剤で連結してしまうため、次回屋根修理を行う際に剥離するための工程が追加で発生します。
この際の費用・人件費は追加で請求されるため、余計な出費となるでしょう。
瓦屋根のラバーロック工法は訪問リフォーム業者がよく勧める工事
冒頭から何度も説明している通り、ラバーロック工法は素人でもできてしまう工事です。
そのため訪問系のリフォーム業者が良く提案する工事でもあります。
安く工事できますしオススメです
と言われるとお客様も安く直せるならいいかと言って契約してしまい、結果的に数年後余計に悪化した屋根修理を行わなくてはいけないというケースが非常に多いです。
ラバーロック工法を検討する場合はこちらで解説したメリット・デメリットを思い出してから検討するようにしましょう。
「ラバーロック工法で雨漏り修理できる」は危険!
ラバーロックで雨漏りが直りますよ!
と言って雨漏り修理にラバーロック工法を勧める業者も居ます。しかしこれはウソです。
「ラバーロック工法の正しいコーキングの打ち方」でも説明しましたが、正しいラバーロック工法は隙間を完全に塞がないので雨の侵入を防ぐことはできません。
この場合、ただ瓦をコーキングでガチガチに接着し隙間を全て塞ぐ工事を行っている事が本当に多いです。
これは屋根内部の水分や湿気を完全に閉じ込めてしまう事になるので、雨漏りや屋根の劣化は信じられないスピードで進行します。
当然、数ヶ月後や数年後に悪化した屋根をまた直さないといけないので出費も余計にかかります。
「ラバーロックで雨漏りを直せる」と言われた場合はとても危険なので信用しないようにしてください。
【結論】ラバーロック工法はオススメしません!
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーでは瓦屋根のラバーロック工法はオススメしていません!
また、しっかりと経験を積んだ瓦職人でラバーロック工法を勧める方を見たことがありません。
ラバーロック工法は確かに工事費用は安いですが、実際には費用対効果が悪くリスクの高い工事です。
後から後悔している方もたくさんいます。
ラバーロック工法を勧められたので悩んでいる
という方はぜひ、ラバーロック工法以外の工事の提案も受けるようにしてください。
瓦屋根は葺き直し工事や葺き替え工事が正しいリフォーム
もしも瓦屋根の工事を検討しているのであれば下記のような正しい瓦のリフォーム工事を検討してみて下さい。
工事名 | 工事概要 | 工事金額の相場 |
---|---|---|
瓦葺き直し工事 | 瓦を一度どかして、下地を新しくする工事。 瓦を再利用するので葺き替えより安い。 | 約80万~150万円 |
瓦葺き替え工事 | 瓦も下地も新しいものに交換する工事。費用が高い。 | 約120万~200万円 |
瓦差し替え工事 (一部交換) | 瓦を部分的に交換する工事。割れたりした場合に有効。 下地は古いままなので雨漏り修理にはならない。 | 約5万~15万円 |
棟瓦積み直し工事 | 棟だけを解体して新しく積み上げる工事。瓦は再利用なので比較的安価。 | 約20万~50万円 |
瓦屋根の工事や金額に関しては下記のリンクで詳しく解説しているので、興味がある方は参考にしてください。
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この記事を書いた人
FP2級合格、CBT試験合格、宅建士試験合格
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー 代表
村松
国家資格であるFP2級・宅建士試験などに合格し、保険業界や不動産業界にて営業やフィナンシャルプランナーとして経験を積んできました!
不動産業界のブラックな雇用形態とパワハラに疑問を持ち退職。
保険業界では「もしかして、世の中って不要な保険が多いのでは?」と疑問を持ち退職。
その後"自分が正しいと思った事を仕事にしたい"と思い、独立しました!
現在はその経験を活かし、自宅のリフォームや火災保険の申請サポートを行う"総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー"にて、微力ながら皆さまの生活にプラスになるお手伝いをしております(・∀・)ノ