屋根の葺き替えは屋根を新しく交換する工事
屋根の葺き替え工事って具体的にはどんな工事なんだろう
屋根の葺き替え工事は古い屋根を外して新しい屋根に交換する工事のことを言います。
葺き替え工事でやる事は主に下記の5つです。
- 既存の屋根や板金、防水シート等を解体撤去する
- 屋根の下地となる野地板を増張りまたは交換する
- 新しい防水シートを張る
- 工法に応じて瓦桟や垂木を設置する
- 新しい屋根と板金を設置する
屋根の葺き替え工事は屋根を新築時のような綺麗な状態にできる唯一の工事方法なのです。
屋根葺き替え工事の適切なタイミング・メンテナンス時期
当然ですが屋根材にも寿命があり、劣化した屋根は定期的に修理・メンテナンスをしてあげなくてはいけません。
現在利用されている屋根の寿命は屋根材にもよりますが、だいたい15年~50年ほどの物が多いです。
屋根材 | おおよその耐用年数 |
和瓦 | 約50年~100年 |
モニエル瓦、セメント瓦 | 約30年~40年 |
スレート | 約20年~25年 |
ガルバニウム鋼板 | 約30年以上 |
トタン(亜鉛めっき鋼板) | 約15年~20年 |
アスファルトシングル | 約20年~30年 |
寿命を超えてから修理・メンテナンスをしてもすでに家にダメージを受けてしまっている場合がありますので、基本的には屋根材の寿命よりも早い段階で工事を行うのが適切だと言えます。
特に、雨漏りに繋がってしまった場合などは家の躯体部分を交換するなどの大きな工事が必要になってしまう可能性があり、余計な出費につながってしまいます。
こうしたリスクをしっかり管理するためにも、早めに工事を行うようにしてください。
屋根修理は葺き替えだけではない!屋根工事の種類
実は屋根修理の種類は葺き替え工事だけではありません。
屋根修理方法は主に4種類あり、状況や状態によって葺き替え以外の工事を選ぶことができます。
屋根の葺き替え | 屋根カバー工法 | 瓦屋根の葺き直し | 部分補修 | |
修理方法の概要 | 古い屋根を全て撤去し、新しい屋根を設置する工事 | 古い屋根の上からそのまま新しい屋根を設置する工事 | 瓦の下の防水シートを交換し、古い瓦を再利用(再設置)する工事 | コーキング補修や屋根材の差し替えなど |
どのような場合に 選ばれる工事なのか | どのような場合でもOK | ・古い屋根がスレートや金属屋根の場合のみOK ・耐震性に不安がある建物には向かない | 瓦屋根のみ | 緊急で応急処置を行いたい場合や、一枚だけ屋根材が破損した場合 |
工事の費用 | 高い | やや高い | やや高い | 安い |
このように表にして比較してみると、屋根の葺き替え工事は高額ですがどのような状況でも選ぶことができる工法で、多くの人の検討の候補になる物であるという事が分ってきますね。
屋根の葺き替えの工事工程・流れについて
屋根の葺き替え工事の工程を知りたい
屋根の葺き替え工事の工程は大きく分けて7工程あります。
使用する屋根材や工法によって若干流れが変わる場合もありますが、これから紹介する基本となる7工程を覚えておけば大きな間違いはありません。
まず最初に古い屋根や板金、防水シート、不要な下地などを解体し撤去します。屋根を一度まっさらな状態にして、新しい屋根を設置する準備をします。
もし下地が傷んでいたり歪んでいる場合などは下地の増し張りや補強を行います。必須の工程ではありませんが、下地が新しいと新しく設置する屋根材も綺麗に並べられるので、できれば行った方が良い工程と言えるでしょう。
下地の上に防水シートを設置していきます。防水シートは家を雨漏りから守る上で特に重要な材料です。ですから防水シートは少し高めでも耐用年数の長いものを選択するのがオススメです。
屋根材を設置する前に屋根材の下に入る板金を設置していきます。この順序を間違えると雨漏りの元となりますので注意が必要です。しっかりとした雨仕舞を考えながら作業をします。
瓦屋根の場合は瓦桟を、通期工法で屋根を設置する場合は垂木を組んでいきます。これらを組む場合も木をわざと削ったりしながら水の通り道を確保して施工します。そうしないと雨漏りの原因となるためです。
下地が完成したら屋根材を張っていきます。横葺きの屋根材は基本的に下から上に設置していきます。雨が上から流れて来た時に入り込まないようにするためです。常に雨仕舞を考えて雨漏りを防ぐことを第一に考えるのが屋根工事の基本です。
屋根材が設置出来たら屋根材の端部の隙間を塞ぐための板金や役物を設置します。基本的に屋根材は固く曲がらないので、角には角の、端には端の専用の部材(役物)を設置することで雨の侵入を防ぐのです。
屋根の葺き替えと同時に断熱工事を行う場合
最近はやりの断熱工事がやりたい
最近ではエコが注目されていることもあって、屋根に断熱材を入れる工事も人気です。
またこどもエコ住まい支援事業などを始めとした補助金を利用したリフォームも盛んで、断熱工事にこういった補助金が支給される場合もあるので、さらに断熱工事の需要は増えています。
もし屋根の断熱工事を行う場合は、屋根材を設置する前に断熱材の工程が加わります。(先ほどの流れの⑤と⑥の間ですね)
工期としてはだいたい1日前後変動します。
もし屋根の断熱改修に興味がある方はそちらも調べてみてください。
屋根の葺き替え工事に必要な期間・日数について
屋根の葺き替え工事に必要な期間・日数はだいたい14日程度(約2週間)です。
葺き替え工事の各工程に必要な日数はこちら。
葺き替え工事に必要な工程 | 必要な日数 |
足場の設置 | 約1日 |
屋根や役物の解体撤去 | 約1日 |
野地板の設置 | 約2日 |
防水シートの設置 | 約1日 |
役物や板金の設置 | 約3日 |
新規屋根材の設置 | 約3日 |
足場の撤去 | 約1日 |
職人の休み(主に日曜日) | 約2日 |
合計日数 | 約14日間 |
もちろん天候や屋根の面積、形状、対応できる職人の人数などによって前後してしまう事もありますが、葺き替え工事で2週間よりも大幅に短く終わることはあまり無いでしょう。
あれ?葺き替え工事なのに1週間で終わっちゃったぞ
という場合は、どこかの工程がしっかり行われていない可能性もありますので要注意です。
そういった場合はしっかりと工事に対する説明を受けた方が良いです。
屋根の葺き替え工事にかかる費用と相場
屋根の葺き替え工事にかかる費用相場は約120万~200万円程度でしょう。※約30坪二階建てを想定
屋根の葺き替え工事は屋根面積、既存の屋根材と新しい屋根材のグレードなどによって金額が大きく変わります。
参考になるように屋根葺き替え工事の金額を屋根の坪数別、屋根材別に一覧にしてみました。
坪数(延べ床面積) | 葺き替えの費用相場 |
20坪 | 約100万~160万円 |
30坪 | 約120万~185万円 |
40坪 | 約140万~230万円 |
50坪 | 約160万~270万円 |
屋根材 | 葺き替えの費用相場 |
瓦屋根を他の屋根材にする工事 | 約120万~200万円 |
スレート屋根を他の屋根材にする工事 | 約120万~180万円 |
トタン種を他の屋根材にする工事 | 約120万~180万円 |
費用について詳しく調べたい方はこちらのリンクで屋根の葺き替え工事の見積もり明細を公開していますので参考にしてください。
屋根の葺き替え以外の工事の費用・相場
屋根の葺き替え工事は高いから、他の工事にしたい
という方も多いです。
実際、他の工事で修理可能であれば葺き替え工事にこだわる必要はありません。
こちらでは葺き替え工事以外の屋根修理に費用もまとめてみました。
屋根工事名 | 費用相場 |
屋根カバー工法(重ね葺き工事) | 約100万~150万円 |
瓦屋根葺き直し工事 | 約80万~150万円 |
屋根塗装工事 | 約50万円~70万円 |
屋根の一部修理・部分補修 (コーキング補修や差し替えなど) | 約5万円前後 |
もし他の屋根修理の費用について確認したいという場合は下記のリンクから調べてみて下さい。
屋根の葺き替え工事のメリットとデメリット
屋根の葺き替え工事にもメリットとデメリットがあります。
屋根葺き替え工事を検討している
という方はぜひここからお話するメリット・デメリットを知ったうえで検討をしてみて下さい。
屋根葺き替え工事のメリット
屋根が新築時のように綺麗な状態になる
屋根葺き替え工事の最大のメリットは、屋根全体が新築時のような綺麗な状態に戻せる点です。
これは見た目だけではなく、性能としても同じことが言えます。
屋根は空に一番近い場所にあるので、紫外線や自然災害の影響も受けやすく、劣化しやすい箇所です。
新築同様の状態に戻せる葺き替え工事は家全体にとってもとても良い工事方法なのです。
どんな希望にも応える事ができる
屋根の葺き替え工事を行うための条件はほとんどありません。
そのため色々な場面で選択できる工法で、お客様のどのような希望にも寄り添う事ができるのもメリットです。
- 屋根の見た目を変えたい
- 屋根を高性能にして長寿命にしたい
- 屋根断熱をしたい
- 屋根を軽量化して防災性を高めたい
このような様々なニーズ全てに応える事ができる万能な工事は葺き替え以外にありません。
屋根葺き替え工事のデメリット
工事費用が一番高い
葺き替え工事は他の屋根修理と比較しても一番工事費用が高いです。
お客様の中には予算的に葺き替え工事ができず、他の工事方法を選択する方もいらっしゃいます。
リフォームで大事なのは費用対効果なので、どんな場合でも葺き替え工事がオススメという事はありません。
なのでその時々で一番メリットのある工事方法を提案してもらう事が重要です。
屋根の葺き替え工事を検討する際に知っておきたい制度や安くするコツ
どうしても屋根修理をしたい、でも費用が…
そんな方にぜひ知っていただきたいのがここから説明する、屋根の葺き替え工事を安くするための制度やコツです!
知らないと損をしてしまうので、ぜひ参考にして自分に当てはまる制度は積極的に利用してみましょう。
屋根の葺き替え工事は補助金・助成金が利用できる可能性がある
住んでいる場所や自治体によっては瓦屋根の葺き替え工事に補助金や助成金が出る場合があります。
全額ではありませんが、工事金額の約10%~20%が自治体から戻ってくる場合が多いです。
- リフォーム補助・助成事業…主に市区町村で行われている制度で、対象地域内で行うリフォームで一部の費用が支給される。瓦のひび割れ修理だけではなく、カバー工法や葺き替え工事、屋根塗装工事も対象となる。補助費用は工事費用の10%~20%程度が多い。
- 耐震改修リフォーム工事補助事業…耐震改修工事と同時に建物のリフォーム工事を行う場合に、その一部の費用が支給される。瓦のひび割れ修理だけではなく、カバー工法や葺き替え工事、屋根塗装工事も対象となる。
詳細はこちらから ➡屋根修理・リフォームに使える補助金や助成金【まとめ】
全ての方が利用できるものではありませんが、もし利用できるならお得ですよね。
興味がある方は今住んでいる自治体の補助金や助成金の制度を一度調べてみる事をオススメします。
屋根の葺き替え工事は火災保険の対象になる可能性がある
屋根の葺き替え工事には火災保険が利用できる可能性があります。
火災保険は住宅総合保険と言い、建物が受けた被害を補償するための保険です。
端的に言うと、台風や強風、雹、落雷、雪などで瓦に被害を受けた場合は火災保険でその修理ができるのです!
うちの屋根は台風の影響で割れた
という方は実費で直してしまうのは損です。まずは火災保険が利用できるのか確認してみて下さい。
屋根の葺き替え工事はふるさと納税の対象になる
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーは、2023年度に千葉県習志野市の承認を得てふるさと納税の対象事業者になりました!
そのため、総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーで屋根の葺き直し工事を行うと、費用の一部がふるさと納税の対象になります。※条件あり
ふるさと納税したことがない方でも分かりやすくサポートしていますのでお気軽にご相談ください。
ふるさと納税を利用した屋根リフォームに興味がある方はこちらで詳細をお調べください。
屋根の葺き替え工事の検討の際は相見積もりを取る
リフォーム工事の多くは相場はありますが、定価はありません。つまり、同じ工事内容でも安い所高い所があります!
ですから、誰でもできる簡単な修理費用を安くするための方法として、相見積もりを取る事は非常に効果的です!
ためしにもう一社見積りを取ってみよう
というだけでも5万・10万の差が出る事はザラにあります!
まだ一社しか見積りを取っていない方は、ぜひ相見積もりを取ってみて下さい。
屋根の葺き替え工事にはリフォームローンが利用できる
これは安くするための方法ではありませんが、
手元にすぐ支払うための工事費用が無い
と、どうしても費用をすぐ捻出できない場合はリフォームローンを利用するのも方法です。
リフォームローンを利用すれば手元資金0円でも軒天工事をすることができます。
また、ローンを借りる機関によっては保証人・担保が不要な所もあるのでオススメです。
今すぐ瓦屋根の工事をしないといけないという場合にはぜひ検討してみて下さい。
屋根修理の際に注意するべきポイント
屋根の訪問業者や詐欺業者に注意!
屋根の訪問営業によるトラブルは毎年絶えません。
もちろん訪問業者が詐欺業者・悪徳業者では無いと思いますが、行政から何かしらの処分を受けている屋根修理業者のほとんどが訪問営業によって契約を獲得しています。
もし自宅に訪問販売の屋根修理業者が来た場合は注意しなくてはいけません。
もし何かしらのトラブルに発展した、または発展しそうで怖いという場合にはお近くの消費者センターにご相談ください。
また、既に契約してしまった契約を解約したいという場合にはクーリングオフ制度を利用して対応しましょう。
クーリングオフ制度とは訪問販売による契約は、書面の交付から8日以内であれば無条件で解約ができるという制度です。
違約金なども支払う必要がありませんので、覚えておきましょう。
屋根の葺き替え工事は総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーにご相談ください
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボーは経験豊富な職人とFPが在籍するリフォーム会社です。
ご相談や現地調査、見積もりは無料で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
またFPが在籍しているので、補助金や火災保険を利用したリフォームも対応可能です!
火災保険を利用した屋根修理の際は、補助金申請費や火災保険サポート費なども頂いておりません。
ご興味がある方は、
補助金や火災保険を利用したリフォームを検討したい
と、担当までお伝えください。
≫無料現地調査はこちら!≪
≫お気軽にご相談ください!≪
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この記事を書いた人
FP2級合格、CBT試験合格、宅建士試験合格
総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー 代表
村松
国家資格であるFP2級・宅建士試験などに合格し、保険業界や不動産業界にて営業やフィナンシャルプランナーとして経験を積んできました!
不動産業界のブラックな雇用形態とパワハラに疑問を持ち退職。
保険業界では「もしかして、世の中って不要な保険が多いのでは?」と疑問を持ち退職。
その後"自分が正しいと思った事を仕事にしたい"と思い、独立しました!
現在はその経験を活かし、自宅のリフォームや火災保険の申請サポートを行う"総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー"にて、微力ながら皆さまの生活にプラスになるお手伝いをしております(・∀・)ノ